介護施設への心のバリア、取り払おう
西田さんは、ミスマガジン2003で芸能界デビュー。タレント・俳優として活動し、情報番組のお天気キャスターなども務めていました。19年から介護の仕事も始め、24年には介護福祉士の資格も取得。「介護タレント」を名乗り、介護に関する情報や介護職の魅力をYouTubeや講演などで発信しています。
今回の講演会は、練馬区にある介護老人保健施設「ライフサポートひなた」で開催されました。
100年活躍ナビ事務局が主催するイベント「来て見て楽しむ・はじめての介護ボランティア&講演会」の一環として行われたもので、テーマは「スキル・経験不要! 現場で活きる介護ボランティアの楽しさとやりがい」。介護タレントの西田美歩さんが、介護ボランティアの魅力や現場での体験について語りました。
西田さんはまず、介護ボランティア志望の参加者に
「介護施設に入ったことあるという方はいらっしゃいますか」
と問いかけました。会場には「今回が初めて」という人も少なくありませんでした。実は西田さん自身も、介護の仕事に就くまでは介護施設を訪れたことがなかったそうです。
「どうですか、今日施設に入ってみて。きれいだなとか、明るいイメージだなとか、思いませんでしたか。私は暗いイメージを持っていたけど、介護職に就いて明るいなあ、何か楽しそうだなと思いました」
一方で、介護施設については、報道などを通じて不安なイメージを持つ方もいるかもしれません。そのため、「介護」と聞くと、身近に感じにくかったり、少し不安を覚えたりする人もいます。
「そのイメージを変えたいと思いました。タレントという伝える仕事をしてきたので、タレントと介護を掛け合わせて、介護タレントという肩書を自分で作りました」。
知らないことから生じる介護施設へのマイナスイメージを、取り除くことに懸ける思いを語りました。
楽しさとやりがいで心満ちて
話は介護職で感じるやりがいへと進みました。
「介護職は、すごく楽しいんです。職に就いた時に、何てすてきな仕事なんだろう、私の天職だ、と思ったくらい。目の前の利用者さんに自分が勉強したケアを届けると『ありがとう』『あなたがいてよかった』と言っていただけるんですよ。介護職で働いていると、胸がほんわか、ほわほわほわという、温かい気持ちになるんです」
「『介護職はきつくて、大変でしょ』って言われるんですけど、『いや、私は楽しくて、笑ってやってますよ』って答えるんです」
西田さんは、デイサービスや訪問介護など、これまでの豊富な経験をもとに、利用者との心のつながりが生まれる介護の魅力について語りました。介護は人を支える仕事であると同時に、人との温かな交流の中で喜びややりがいを感じられる仕事でもあるといいます。
講演では、将来介護ボランティアに参加する人に向けて、高齢者と接する際の実践的なアドバイスも紹介されました。
例えば、困っている様子の高齢者に声をかける際は、後ろから近づくと驚かせてしまうことがあります。そのため、「まずは正面から相手の視界に入り、『何かお手伝いできることはありますか』と尋ねるのがおすすめです」と話しました。
一方で、「大丈夫ですか?」という聞き方は注意が必要だそうです。相手が遠慮してしまい、本当は助けが必要でも「大丈夫です」と答えてしまうことが少なくないためです。相手の気持ちに寄り添いながら、具体的に手助けを申し出ることの大切さを伝えていました。
求められている介護ボランティアの種類
講演の後、「ライフサポートひなた」での介護ボランティア受け入れの状況について説明がありました。ボランティアによるサポートをお願いしているのは、次の4種類の活動だそうです。
(1)楽しませる
・音楽演奏、昭和歌謡、沖縄舞踊、ソーラン節、ハンドベル
・落語、紙芝居、漫才、ものまね
・書道教室
(2)つくる・彩る
・コーヒー提供
・フラワーアレンジメント
(3)支える
・シーツ交換、窓ふき
・データ入力、イベント補助
(4)寄り添う
・話し相手、傾聴
・見守り、一緒に過ごす
こうした介護ボランティアについて、西田さんは
「最初は、寄り添う活動などから始めたらいいのではないでしょうか。入居者の中には話し相手を求めてる方もいらっしゃるけど、職員も日々の業務に追われて忙しく、ゆっくりとお話をする時間をとるのが難しいことが多いんです」
とその重要性を語ります。
「笑顔で接すれば、喜んでもらえて、自分の心も満たされる。お手伝いすることで、自分の役割を持つことができます」
と、介護ボランティアをする意義も話してくれました。
かつて勤めていた介護施設では、リハビリ型デイサービスを卒業した方が、食器洗いや清掃の手伝いに来てくれていたそうです。「元気になられた姿も見られるし、こちらも助かる」と、素敵な思い出になっているそうです。
母親の介護が終わったら施設などでのボランティアをしたいという68歳の女性参加者は「失敗してしまったり、相手の方の気分を害してしまったりすることに不安を感じていたけど、気を楽に持ってやってみればいいんだと感じました」と話していました。
この日のイベントの締めくくりは「魔法使いマジシャン フージー!」さんによるマジックショーでした。ショーには約10人の入居者も合流。参加者の皆さんと一緒に、トランプのカードやシルクを使ったマジックを大いに楽しみ、会場は笑いに包まれていました。
まとめ
ここまでお読みいただき、介護現場を支えるボランティアの大切さを感じていただけたのではないでしょうか。また、特別な資格や経験がなくても、「やってみたい」という気持ちがあれば誰でも参加できることもお分かりいただけたと思います。
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