夏を元気に楽しむ!熱中症対策のコツ

2025年7月16日

年々厳しくなる日本の夏。でも、暑さを理由に家に閉じこもっているのはもったいないことです。日々の生活から旅行など夏ならではの楽しみを安全に満喫するための熱中症対策をご紹介します。昔ながらの知恵と現代の工夫を組み合わせて、この夏を元気に乗り切りましょう。

夏ならではの地域活動とボランティア

夏は、お祭りや花火大会、盆踊りなど地域のイベントがより活発になる季節です。そうしたイベントはボランティアによって支えられていることも多く、地域コミュニティの絆を深めるよい機会でもあります。最寄りのイベントに地域の一員としてボランティアやイベントに参加してみませんか?

でも、「そんな活動はどこで見つけられるの?」と思うかもしれません。地域の広報誌や地域のコミュニティセンターなどは情報の宝庫です。また、100年活躍ナビでも、「イベントをさがす」から絞り込んで検索できます。まずは「キーワードで検索する」を試してみましょう。たとえば「夏」や「お祭り」で検索してみる。そのほかに、「活動分野を選択する」で「手伝う」を選び、ボランティア活動を見つける方法もあります。

100年活躍ナビでも、「イベントをさがす」から絞り込んで検索できます

なぜ熱中症が注目されているの?変わりゆく夏の環境

暑い季節に活動する上で気をつけたいのが熱中症です。近年は、気候変動と都市部で起きるヒートアイランド現象による気温上昇により、熱中症の影響が著しくなっています。

「昔から夏は暑いもの」、そんなふうに思っている方もいるかもしれません。観測データを見てみましょう。世界の年平均気温は上昇傾向にあり、日本の年平均気温も上昇傾向にあります。中でも東京の年平均気温は、過去100年で約3度の上昇がみられ、大きな上昇幅となっています。そうした状況から熱中症による救急搬送や死亡者も増加しており、2024年は調査を開始した2008年以降で最も多い搬送人員となりました。

世界、日本、東京の年平均気温偏差の推移 (1900年からの偏差、5年移動平均)

人間のからだは、通常は体温が上がっても汗や皮膚温度が上昇することで体温が外へ逃げる仕組みで、体温調節が自然と行われます。ところが、急に暑くなったり脱水症状によって汗が出なくなったりすると、体温調節機能がうまく働かなくなり、身体に熱がたまって体温が上昇してしまいます。このような状態が熱中症です。

熱中症になると、めまいや立ちくらみ、筋肉痛や筋肉のけいれんなどが起きます。症状が進むと、体のだるさや吐き気、頭痛などが起きます。もしも自力で水が飲めない、呼びかけに反応しないといった場合は、救急車を呼びましょう。

特に年齢を重ねると体温調節機能が低下してくるため、暑さに気づくのが遅れ、熱中症にかかりやすいと言われています。無理をせず、エアコンを活用したり、環境省の「熱中症アラート」情報にも注意したりして、熱中症対策をしっかりしていきましょう。

環境省では、熱中症警戒アラートの情報を、メールやLINEアプリで配信するサービスを無料で提供しています。

夏のお出かけ・活動を楽しむために気をつけたい3つのこと

では、具体的にどうしたことに気をつけたらよいのでしょうか。ここでは、夏のお出かけや活動を楽しむために気をつけたい3つのことをご紹介します。

ポイント1:水分補給--「かくれ脱水」に注意

体内の水分保持機能が低下してくるシニア層は、毎日決まったタイミングで水分を摂取しましょう。気がつかずに脱水を起こす可能性を軽減できます。飲み物は、水分やミネラルも摂取できる麦茶がおすすめです。もし大量に汗をかいたときは、スポーツドリンクなどの塩分を含む飲料の補給が効果的です。なお、カフェインを含む緑茶や紅茶などのお茶類は、利尿作用があることに注意しましょう。

ポイント2:服の色が涼しさに影響する?--服装にも注意

衣服を工夫することは、熱中症対策にとても効果的です。通気性のよい、ゆったりとした服や袖口や襟ぐりがあいているもので、素材は、綿や麻、ポリエステルなど汗を吸ってすぐに乾くものを選びましょう。色は、白や黄色、薄いグレーなど熱を吸収しにくい色がおすすめです。直射日光が当たるのを防ぐ、つばの広い帽子やネックガード付きの帽子もよさそうです。直射日光を避けることで、頭の温度が5~10度ほど上がるのを防げるといわれています。特に長時間歩く際には気をつけたいですね。ネッククーラーや扇子、日傘などの熱中症対策グッズもあわせて活用しましょう。

ポイント3:早朝・夕方活動のススメ--時間や場所を選ぶ

気温が30度でも、ひなたは頭上からの日射に加え、50度近くに高温化した歩道や車道からの放射熱があるため、とても暑く感じます。なるべくひなたの道ではなく、木陰や日陰の多い道、地下道などを選んで歩きましょう。散歩を日課にしている方は、気温の高い日中を避け、早朝や夕方を選んでみましょう。

「かくれ脱水」に注意しましょう。飲み物は、水や麦茶などカフェインの入っていないものがおすすめです

知っておくと役立つクールシェアスポット

かつてエアコンは贅沢品、と言われた時代もありましたが、いまや体を守るために必要なものといえるでしょう。とはいっても、省エネの時代。空調設備を備えるクーリングシェルターやクールシェアスポットを活用してみるのもひとつの方法です。涼しい場所に出かけることで気分転換にもなります。

クーリングシェルターとクールシェアスポット

そうしたスポットは、図書館や地域センターなどが指定されていることが多く、東京都のウェブサイトから検索できます。また、検索サイトで「クールシェアスポット+(場所)」で手軽に検索できます。出かけることで、意外な発見や出会いがあるかもしれませんよ。

日本の知恵を活かそう!「打ち水」で涼を呼ぶ

東京では、猛暑日や熱帯夜が増加するなど夏の暑さが課題となっています。そうした中で、昔ながらの方法で手軽に涼を得られる「打ち水」に注目が集まっています。
打ち水をすると、水が蒸発する時に地面の熱を奪い、温度が下がる「気化熱」により気温が下がって涼しく感じます。

打ち水の効果を最大にするなら、朝や夕方、日陰に水をまくと涼しさが持続して効果的です。昼やひなたにまくと、すぐに水が蒸発してしまいます。まくときは、洗面器やボウルにいれた水を手ですくったり、じょうろや空き容器などを使ったりして、お家にあるものを活用できます。水は、お風呂の残り水や貯めておいた雨水などの二次利用水を利用するといいですね。

昔ながらの方法で手軽に涼を得られる「打ち水」

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